カトレア (Cattleya sp.)

 

 自宅では熱帯着生ランも数種栽培しています。カトレア(品種名不明)の人工授粉を行ってみました。綿棒で花粉塊に触ると容易に外れたので、これを柱頭に付着させました。受粉は上手くいき、花はすぐに枯れ始めました。子房の部分が徐々に膨らみ、なんと1年かけて立派な果実ができました(下の写真左)。サイズは長さ7cm幅3.5cm程です。いま種子を無菌発芽させています。驚いたのは果実を割って出てきた種子の量です(写真右、シャーレ直径12cm)。面倒なので正確には数えていませんが、100万粒近くはありそうです。ほとんどの種子に充実した胚が入っていました。熱帯着生ランの種子は風で散布され、付近の樹木の幹に付着しなければなりません。その確率がかなり低いので、これほど大量の種子を生産するのでしょう。英語ではランの種子はdust seedsと呼ばれますが、クリーンベンチでの作業中にかなりの数が風で吹き飛びました。まさに”ホコリ”でした。