無菌コケテラリウム

 苔を用いたテラリウムが流行しているそうです。通常の方法ではカビが多発し、安定して苔を成長させるためにはこまめな手入れが必要でしょう。苔の無菌培養が可能なら水もやらずに放置したままで、数か月はテラリウムを楽しむことが出来ると思い、無菌的な苔のテラリウム作りを試みました。

 まず、苔を無菌化する必要があります。通常私たちが見ている苔の茎葉体は無菌化するための殺菌剤で簡単に死滅してしまいます。そこで雪解時に森を散歩して苔の胞子体(蒴)を採取し、これを1%次亜塩素酸ナトリウム溶液(ブリーチ)で20分殺菌し、MS培地にまきました。1か月ほどで原糸体が生じ、更に1か月ほどで原糸体の固まりの中から茎葉体ができ始めました(下の写真)

この方法でタマゴケを含む3種の無菌的な苔を手に入れました。100均でガラスボトルを買い、これに培地を入れて苔を植えてみたところ、順調に生育し、飾りとして十分に使えることが分りました。下の写真は北向きのトイレの窓辺で2か月間成長させたものです。今後は苔の種類を増やし、大きめのボトルを用いてガラスのミニチュアフィギュアを入れてみるつもりです。また培地にはバタフライピーの花の粉を0.1%混ぜて、青色に染めるつもりです。